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トマホーク退役で破れる「核の傘」 危機感薄い首相「核のない世界へ一歩」(産経新聞)

 オバマ米政権の「核戦略体制の見直し」(NPR)を受け、鳩山由紀夫首相は7日、「核のない世界に向けた第一歩だ」と歓迎の意を表明した。核搭載型巡航ミサイル「トマホーク」退役により日本の「核の傘」による抑止力は低減するが、対応策は何も示せておらず、政府の危機感の欠如をまた露呈したといえる。

 核トマホークは東西冷戦中、日本に立ち寄る米原潜に搭載された。基地や政権中枢部をピンポイントで攻撃できる能力を持つため、日本に対する核攻撃への大きな抑止力となっていた。

 冷戦終結後は軍艦船から撤去されたが、有事に再搭載できるよう米本土の基地に保管されており、なお抑止力は働いていた。

 米政権がトマホーク退役を決めたのは、これまでイラク戦争など実戦で使われたことはなく、政治的コストを考えると、より使い勝手のよい通常兵器への転換を進めるべきだと判断したとみられる。

 「核の傘」としては、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など戦略核もある。岡田克也外相は7日、「日本の『核の傘』は戦略核がきちんとカバーしており、(安全保障に)影響はない」とトマホーク退役の影響を否定した。

 だが、戦略核を使用すれば、米本土が「報復」対象となる可能性があり、日本への核攻撃の報復として米国が戦略核を用いる保証はない。防衛省筋は「トマホークが退役すれば、日本の核攻撃に対する抑止力は事実上通常兵器だけになりかねない」と懸念を示す。

 政府は「非核国への核兵器不使用」を安保理決議や条約化を視野に他の核保有国に履行を働きかけていく方針だが、核保有国が同調する可能性は少ない。3月の主要8カ国(G8)外相会合でも岡田氏は「核の役割低減」を共同声明に盛り込むよう訴えたが、クシュネル仏外相が「国の大きな政策であり絶対譲れない」と猛反発し、見送られた。

 12、13両日の核安全保障サミットで首相が「核の傘」の恩恵を理解せぬまま「非核」を訴えれば、安全保障への「無知」を国際社会に示すことになりかねない。(赤地真志帆)

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